2025/11/29 12:20

元繁殖犬のカルア、推定15歳。家族になってから8年目でした。
予定時間よりずっと早く火葬が終わってしまうくらい小さな体でした。骨を拾いながら、この華奢な体で何度も赤ちゃんを産ませておきながら、用が済んだ途端に捨てたというブリーダーに、突然こらえようのない怒りが湧いてきて涙が止まりませんでした。
先週獣医さんから帰ると強制給餌されたものをすべて吐き下痢が続いてしまうカルア。一晩中うめき苦しむのを見て、
「もう治療はやめよう」
「カルアの意志に任せよう」
と決心しました。それでも少しずつ弱っていくカルアを見て、「痛みに苦しんでいたらどうしよう」「本当にこれでいいの?」と迷いが出てきて、今さらながら
「カルアはどうしたい?」
と責任転嫁をするように、ぐったりしているカルアに繰り返し問いかけます。
でもお別れの儀式をするように、二日続けてふらふらしながら同居犬のダッタンを探し背中にやっと顎をのせて幸せそうに深いため息をつくカルアを見て、
「カルアのことを一番に理解しているのは私のはず。絶対に守るよ。」
と約束しました。
先週の月曜日。
食べるのを拒否し、おむつをつけるようになってしまったカルアは小さくしぼんでしまっていました。少しずつ目の輝きが失われ呼吸の間隔があいてきます。
無意識に自分がカルアを引き留めてしまっているようで「もういいよ、カルア」と声をかけた後、それに応えるように私の腕の中でカルアは静かに最期の時を迎えました。まるで私の休みの日を待っていてくれたようでした。
あまりベタベタと甘えてくるタイプではなかったカルア。マイペースでほとんど寝ていることが多かったような気がします。それでも自分が驚くほど喪失感が大きく、今は「ありがとう」と「ごめんね」が頭の中をぐるぐるしています。
カルアが虹の橋を渡ってから今日で12日。
足をちょっと引きずるようにして歩くカルアの足音がまだ廊下から聞こえてくるようで、耳を澄ませてしまう私です。